保存版!ブロッコリーの歴史から保存方法までまとめてみた

農園ブログ

間もなく春ブロッコリーを畑に植え付ける時期になりました。
本格的に忙しくなる前にブロッコリーについて改めて歴史から保存方法までまとめてみました。

ブロッコリーの歴史

「Broccoli」はヨーロッパ地中海沿岸が原産地とされています。アブラナ科アブラナ属の野菜でご先祖様は「青汁」で有名なケール。明治時代には日本に紹介されたそうですが、広く栽培されることはありませんでした。
一定の年齢の方は共感していただけると思うのですが私が子供のころには食卓に上ることはなかった野菜です。
ブロッコリーの栽培が盛んになったのは1980年代に入ってから。後で触れますが豊富な栄養素でがん予防効果などが研究結果として発表されると輸入および国内栽培が活発になりました。
日本の気候に合った品種が開発されたこともあって栽培面積は一気に増えたようです。
ウチがメインで栽培している品種「ピクセル」の誕生は2001年。まだ20年ちょっとの品種なんですね。
ちなみにブロッコリーの和名は「ミドリハナヤサイ」「キダチハナヤサイ(木立花椰菜)」だそうです。そういえば子供のころ(昭和40~50年代)カリフラワーを「ハナヤサイ」って呼んでたなぁ。

ブロッコリーの栄養価

ブロッコリーの魅力はその栄養豊富なところ。100gあたりビタミンCの含有量は140mg!タンパク質も5.4gも含まれています。ちなみに「絹ごし豆腐」のタンパク質は100gあたり5.3gなのでお豆腐よりもブロッコリーの方がタンパク質が多いんです。意外ですね。
そのほかにも葉酸、ビタミンK、E、食物繊維も豊富に含まれているそうです。
1日に70~100g食べればビタミンCやタンパク質をはじめとした栄養がしっかりとれるので、毎日の食事にぜひ加えていただきたいです。
ちなみに70~100gは、小房のブロッコリー3~4個が目安です。

栄養を損なわない食べ方

よく知られていますが、ブロッコリーの栄養は水溶性のものが多いので茹でると栄養価が下がってしまうからダメ!と言われています。
一番簡単なのは「レンチン」でしょうね。小房に分けて水洗いしたら水を切らずに耐熱容器に入れてラップをかけて3分くらい。柔らかい食感がお好みなら3分チンしたあと3~5分くらいラップをしたまま蒸らせばOKです。
あとはフライパンで少量の水(大さじ1~2)を入れて2~3分蒸し焼きもおいしいです。
花蕾部分をカットして茎を捨ててしまう方が多いと思いますが、栄養は茎の方が多いんだそうです。厚めに皮をむいて花蕾と一緒に調理してください。
あと茎を細切りにしてキンピラにするのもおいしいですよ。

食べきれない方の保存方法

標準的な大きなのブロッコリー(我々がLサイズとして出荷するのは花蕾の直径が13cmくらいです)だと重さはおよそ350g
ひとり暮らしの方など1回で食べきれない方も多いですよね。
そんなときの保存方法をまとめておきます。
ほとんどの野菜がそうですが、収穫後の野菜は「呼吸」しています。それにより水分が抜け黄化していきます。
小房に分けたあとのブロッコリーはキッチンペーパーで包んでポリ袋等に入れてなるべく低い温度(チルド室が理想)で保管すると比較的長く保存できます。
買ってきたままの状態なら水を張った器(大き目のマグカップなど)にブロッコリーを入れて「活けて」ください。その状態で冷蔵庫に入れると長持ちします。
0度に近い温度で保存すればブロッコリーの呼吸が止まるので1週間は保存可能です。
その他、硬めに茹でて保存容器に入れて冷凍したり、干し網に広げて日陰で乾燥させる「干しブロッコリー」なんかもおススメです。作り方はネットで検索してみてください。

面白い品種名称

野菜の品種ってけっこうおもしろい名前がついているものが多いんですよ。
ブロッコリーもなかなか面白い名前が多いです。例えば、

ピクセル、ファイター、エンデバー、グリーンベール、シャスター、パラグリーン、マーシャル、チャレンジャー

なんかロケットか戦闘機の名前みたいでしょ?
漢字の名前だと

海嶺、雷鳴、緑炎、緑帝、緑笛、緑嶺

こっちは戦艦の名前みたいですよね。
変わったところでは

おはよう、こんにちは、こんばんは

ふざけているわけではありません。これは大手種苗メーカー「サカタのタネ」さんから販売されている品種です。ウチも「おはよう」を栽培していまして、姉妹品種で「こんにちは」「こんばんは」があると聞いたときに種屋さんが冗談を言っているのかと思いました。

ブロッコリーの旬

ブロッコリーは北海道から九州まで幅広く栽培されており、ほぼ通年どこかの地域で収穫されています。
本来の旬は秋~冬。確かにこの時期のブロッコリーは甘みがあっておいしいような気がしますが、年間通してフレッシュな国産ブロッコリーが入手可能になっています。
ちなみに新潟のブロッコリーは、春が5月中旬~6月中旬、秋が10月中旬~11月末に出荷されています。
ぜひたくさん召し上がっていただければ生産者としてはうれしい限りです。


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