枝豆の種まきはこんな感じでやってます

農園ブログ

3月最終日の今日は雨。
昨日は雨が降る前にとブロッコリーを植え付ける畑の準備をやっておりました。
雨降りの日は畑仕事もできないので主に室内の仕事になります。
今日は2回目の枝豆の種まき作業をやりました。

地域や品種によって様々なのですが、ここ黒埼地区ではほぼすべての枝豆を種まき用のトレイに蒔いて苗を育ててから畑に植え付けます。
まだ寒い新潟ではこの時期に直接畑に種をまいても寒すぎて発芽しません。そこでトレイに種をまいてビニールハウスで育苗してから畑に植え付けるのです。
今回はその種まき作業について細かくご紹介していきます。

今回蒔いたのは「初だるま」という極早生品種。
当園で一番早く6月下旬から収穫する枝豆です。枝豆の収穫スケジュールについては農園の紹介ページで書いていますので覗いてみてください。
黒埼地区では近年ほとんどの農家がこの「初だるま」を栽培しています。
なぜなら、極早生品種の中でもダントツでおいしいから。甘みが強く癖のない枝豆で固定ファンも多く、当園でも毎年必ずご注文いただくお客さまも何軒かいらっしゃいます。

種まきの手順

種まき(農家は「播種(はしゅ)」と言います)は「セルトレイ」という60×30cmのプラスチック製の枠を使用します。
セルトレイは播種する作物の種類に応じて様々なサイズがありますが、当園ではブロッコリー用の72穴、枝豆は128穴と200穴を使っています。
「初だるま」は植え付け時期がまだ寒いのでなるべくしっかりとした苗にしたいので土の量が多い128穴のセルトレイを使用します。
まずはセルトレイに種まき用の土(「培土(ばいど)」と呼びます)を詰めます。この種まき用の土はJAで購入したものです。
昔は自分の畑の土を使っていたのかもしれませんが、様々な病原菌や雑草の種などを排除するために適正な肥料も配合された専用のものを使います。当園では排水性を高めるために種まき培土にもみ殻くん炭を50:50で混ぜたものを使用しています。

土詰めで活躍するのが、雪国では誰もが使っている「スノーブラシ」。
本来は自動車に積もった雪を落とすための道具なのですが、ゴムのブレードとブラシが付いているのでトレイに土を詰めた後にきれいに均す作業に重宝しています。

土詰めが終わると「鎮圧ローラー」という専用の道具でトレイの播種穴に窪みをつけます。
植え穴が開いたらいよいよ種をまいていきます。今回は収穫日ベースで4日分で約3000粒=セルトレイで23枚に種をまきました。

種まきには「播種板」という専用の道具を使います。
農機具店でアクリル製のものも販売されているのですが、結構高価なのでホームセンターで合板などを購入して2千円以下で手作りしたものです。
枠の中に種を入れて板に開けた穴にゆすって一粒ずつ入れます。すべて入ったら枠を手前に引くとセルトレイに種が落ちる仕組みになっています。
大規模農家さんに比べたらごく少ない量ですが、それでも手作業で一粒ずつ蒔くよりも数倍早く種まきを終わらせることができます。

種をまき終わったら、鎮圧ローラーで種を土の中に埋め込みます。
そのあと種を隠すように土をかけて軽く鎮圧して土を平らにして作業完了。
発芽をきれいにそろえるためには、種まき用培土の水分量が重要だと言われていて、理想的な水分量なども色々方法があるのですが、私はズボラなので種まき時点では結構乾いた状態で種をまいて、後で水をかけています。
今のところ大きな問題になるほど発芽が悪いということはありません。
もちろんかける水の量が極端に少なかったり多かったりしたら発芽に影響するんでしょうけどね。

水をあげたあとは、蒸気で加温する「発芽機」に入れて48時間ほど26~28度の状態を保ちます。
だいたい2晩加温すると6~8割の種が発芽しますので、そのあとビニールハウスに移動させてさらに1週間~10日ほど苗を育てたらいよいよ畑へに植え付けです。

種まきの作業はだいたいこんな流れです。
もう少しすると枝豆の植え付けも始まりますので、植え付け作業についても今後詳細をご紹介していきたいと思います。


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